高校生の時だった。
大阪梅田の阪急東商店街を通ってよく通ったレコード屋さん、LPコーナー!
昼間から太ももを出した看護婦さん(当時は看護婦だったので)がなぜか店の前に立っていて誘って来るようなちょっとヤバい商店街だった。
当時は輸入盤と言えば大阪のLPコーナーで友達と数えよく通って珍しいレコードを手に入れた。
ここにはライブの海賊盤のレコードが沢山あって音がいいアルバムにたくさん巡りあった。
ドゥービー・ブラザーズのライブはジャケットは適当に印刷したような紙が貼り付けてあるだけだったのだが、内容はとても良くて何より音が良くて驚いた。
そしてもう一枚。
ジェフ・ベックのライブの海賊盤。
海賊盤とは思えない真っ赤なジャケットでジェフ・ベックがギターを弾いているイメージが描かれていて格好良かった。
それを買った。
これは本当に嬉しくてしっかり思い出が刻まれている。
そしてこのアルバムも海賊盤とは思えないほど音が良くてよく聴いた。
正直なところジャケットに魅せられて買ったというのもある。
先に買っていたアルバム「Blow By Blow」の曲ばかりだったのでジェフ・ベックが身近に感じてこの海賊盤のライブアルバムはとても良かった。
しかし正直に言うがこの後、ジェフ・ベックにハマることはなかった。
何十年も聴いていなかった。
そして何年前だろう。
そんなに昔じゃない。
スティングがジェフ・ベックと一緒にライブをやっていた。
その時ジェフ・ベックのギターが新鮮に聴こえた。
音色がやはり印象的で、
「えっ、ジェフ・ベックってこんなに良かった?」
とえらそうに言ってしまった。
やはりスゴイギタリストだと改めて思い知った。
そしてまた「Blow By Blow」でジェフ・ベックを聴いた思い出がある。
「Cause We’ve Ended As Lover」
これを聴いて懐かしさと、このジェフ・ベックのギターの音色がいい時代を作ってくれたなと感謝の気持ちでいっぱいになった。
そして「Constepated Duck」聴いた!
やはりこれが一番好きだった。
そして「Scatterbrain」を聴いて、
「これをコピーして弾かないといけないのだろうか?」
と思い、やめて「Diamond Dust」を聴いて少し病み、
そして「Freeway Jam」を聴いてまたギターを持った。
ジェフ・ベック曰く、
「古いと言われたら腹が立つ!」
カッコイイ!
古い?
この人のギター、特に音色は古いとか新しいとか関係ない!
ジェフ・ベックが亡くなったと聴いて他のアルバムも聴き漁っている。
改めて思う。
本当にギターでいい時代を築いてくれたギタリスト!
そして僕たちは本当にいい時代に生まれて音楽の良かった時代に育ったのだなと。
ジェフ・ベック、ありがとう!
おそらくギターを手放すことはないと思うけど、あちらの世界に行っても弾き続けてください!
ジェフ・ベックの海賊盤ライブを買った時のことは今でもしっかり覚えている。
45年くらい前の事。
太ももを出した看護婦さんが立つ阪急東商店街をムラムラして超えてLPコーナーにたどりつき、帰りにLPコーナーのレコードの袋に入れて阪急東商店街を歩く時は早く家に帰って聴きたいと看護婦さんなど気にならずにワクワクして帰った。
そして家でレコードに針をおとした時の感動を忘れない。
やはりジェフ・ベックはいい!
安らかにギターを抱いてお眠りください。
あっ、思い出した!近くに「ダン」って言う輸入盤レコード屋さんもあった。たしかディスコが側にあった。ここでT-BONE Walkerのレコード買った!たしか?
木村菜緒
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